接客とおもてなしの違い

 

みなさんこんにちは、人財開発部の川口です。毎月何らかの外部研修に出かけておりますが、先日は人事・人財開発のカンファレンスへ行って参りました。カンファレンスという言葉、病院でしか聞いたことなかったです。いま初めて使いました。

働き方改革など日本の大手企業はどのような取り組みをしているのか、傾向を掴んで来ましたよ。自社で何ができるのか等考えるとワクワクします。

 

さて、今日はクオリティクラブ運営の基本である3Aをテーマにしましょう。3A(飽きさせない、呆れさせない、諦めさせない)です。ジャンルはCS(顧客視点)とES(従業員視点)の両方ありますが、今日はCSの中の顧客対応にフォーカスします。

 

飽きさせないといえば・・・ドクターXの新シリーズ。

出典:ドクターX

普段リアルタイムでテレビは一切見ないのですが、大門未知子のファッションをチェックする為だけに2倍速で深夜に見ています。ドラマの内容は「ブラックジャック」に「水戸黄門」を混ぜたような毎回お決まりのフォーマットなのに、シリーズ化するほど飽きさせないのはすごいですね〜!飽きさせない仕掛けが盛りだくさんです。

 

ドクターXと言えば私、失敗しないので」です。あなたは顧客対応で失敗した事がありますか?失敗を「相手の不満足」と定義すると、原因は何だと思いますか?

 

私には失敗が星の数ほどあり「失敗ノート」という恥ずかしいノートに記録されています。一つ一つ鮮明に覚えていますよ。それらの分析の結果一つの結論に至っています。何だと思いますか??

それは本来お客様が求めている「あなたが一番大切です」が伝わらなかったからです。

つまり、極端な表現ですが、

「あなたの大切度ランキングは現在二番以下で〜す」

という敬意に欠ける非言語メッセージが伝わると必ず事故が起きるという事です。「まさか!!そんな、お客様をばかにするような事をするはずがない!!」と思いますでしょうか?本人にそんなつもりがなくても相手がそう感じたらそれが真実。顧客対応は待った無しの「真実の瞬間」なのです。

 

いつも多くのお客様の対応をしているのに、全員に「あなたが一番大切です」を伝えるなんて矛盾してる?無理?

大丈夫。できますよ。おもてなし企業のクオリティビジネスパーソンなら!

 

ここで質問です。次の5つのケースの当事者となった時、あなたの感情はどう動きますか?想像しながら読み進めてみてください。

 

行列のできるパンケーキ屋さんに行ったところ、整列されていない状態で人がたくさんいた。10分ほど待ったところで店員さんが出てきたが、忙しそうな様子で自分に気づかず横を通り過ぎ、後から来た人を先に案内した

 

のど飴を口に入れたまま美術館へ入館したところ、突然「飲食物は禁止させていただいております」と大勢の前で注意を受け、気まずい想いで謝った

 

どうにも腰が痛くてたまらず、いつも通っているマッサージの予約電話をしたら「今からですか?・・・明日であれば大丈夫ですけど・・今はお客様がいらっしゃいますので・・」という回答であった。後日顔を合わせた時何事もなかったような対応であった

 

「鞄をお預かりします」と言われ預けたが、ロッカーが小さくて入らなかった。「横にしてもよろしいですか?」と言われたがPCが入っているのでと断ると「ちょっとお鞄が大きいのでこちらに置かせていただきますね〜」と言われた

 

飲食店にていつも笑顔で接客してくれる感じが良いスタッフ。ある日簡単な要望を伝えた際、急に逃げ腰になり、感じが良いだけでそれ以上には何もないことに気づいた

 

いかがでしょうか。私は職業病で他社の顧客対応を細かく観察をする習慣がありまして・・5つとも「飽きる・呆れる・諦める」のダメ3Aを満たすレベルだな〜と感じました。

そして、5つのケースのどの対応者も「自分は真面目に接客をしている!」という自己評価の高い状態と思われます。実際は全てに「あなたより〇〇が優先」という非言語メッセージが含まれています。非言語だけあってお客様はわざわざ教えてくれませんが「小さな不満」として蓄積することでしょう。

 

では、以下におもてなし視点での解説をします。

 

は待っている人のワクワク感よりその場をさばく事が優先されています。お待ちのお客様に敬意があれば忙しそうに見せずに、全員とアイコンタクトをとりながら「お待たせして申し訳ございません、順番にご案内いたします」が出てきますし、待っている人の楽しみを増す意味で「今日も美味しく焼けてますよ〜」なんて気の利いた一言があっても良いでしょう。忙しそうに見せるのは「私は大変だから期待しないでください」のアピールであって、お客様に気を遣わせるのでおもてなしとしてはNGです。

 

はとにかくルールを守らせるという自分の仕事を力技で優先しています。美術館という環境は非日常です。相手の楽しい時間を尊重すれば「ご案内不足で失礼いたしました。当館は飴やガムを含む飲食をご遠慮いただいております。恐れ入りますがご協力のほどお願いできますでしょうか?」という誰も傷つかずにルールも守られる方法を考えて実行するでしょう。「注意する」への反応は「謝る」です。お客様に謝罪を強要するのは、おもてなしではありえませんね。

 

はお客様の要望よりマニュアルを守る事が優先というよくあるケースです。苦痛の時、困っている時ほど相手の対応に敏感になる経験はありませんか?相手の緊急度を感じたら「それはお困りですね、なんとかして差し上げたいのですが、どうにも今予約が困難で・・もし明日でよろしければすぐに予約を取らせていただきますがいかがでしょうか?」という共感の表現になったでしょうし、後日顔を合わせたら真っ先に「先日は大丈夫でしたでしょうか?」という言葉が出てくるでしょう。これがないと「ここは冷たい店だ」とジャッジされます。また、目の前のお客様に対して「他のお客様を優先させる」とわざわざ表現するのは優劣を感じさせるのでご法度ですよ。

 

は目的を果たす事よりも、まず自分の正当化を優先しておこうという場面です。「お客様の鞄を安全に預かって安心してサービスを受けてもらう」という目的を果たせないのは、そもそも顧客に合わせたロッカーを用意せずに大事な鞄を預かるというシステムで運用している店側の問題であるのに「ロッカーで預かれないのはあなたの鞄が大きいから」とお客様のせいにしています。「こちらの準備不足で申し訳ありません。大切なお鞄を傷つけてしまうといけないので、本日はこちらに置かせていただいてもよろしいでしょうか?次回までに対策をさせていただきます」が正解です。おもてなしを目指しながらも本質がずれているパターンですね。

 

はお客様の満足より自分のミッションを増やさない事を優先している状態です。お客様が要望を出そうが、自分の必要最低限の仕事は「感じよく接客する事だけ」と捉えていれば既にミッションクリアの状態。よってそれ以上の事を求められると逃げ腰になるのです。何とかしようと思えば「すぐに確認してまいります」など何とでも着地させる事はできます。この「逃げ」は相手と向き合う事の拒否ですから最も相手をがっかりさせます。これは普通の接客以下ですね。

というように、実際はどれもよくあるふつ〜うの接客です。顧客対応をおもてなしとして付加価値にせず、主商品だけで勝負する戦略ならそれはそれでアリだと思います。

 

軸足が自分の場合は「普通の接客」、軸足がお客様の場合は「おもてなし」この二つは全く別物。おもてなしは接客の延長線上ではなく、スタート地点が違う。という解説でした。

 

非常に辛辣な表現になりますが、自分の表情や言葉遣い、強いて言えば自分の感情に意識がいっている時点で軸足は自分にあるので、プロのおもてなしとは言えないという事になります。何のためにマニュアルを徹底するかといえば、そんな当たり前のことは1日も早く目をつぶってもできる状態にして、プロとして全神経を目の前のお客様に集中させる為ですからね。

 

前提として「仕事はまず自分が楽しむこと」なのは間違いありません。しかしプロ野球の選手が打席に立った時に「野球って楽しいな〜」と考えるでしょうか?恐らく打つことに集中していますよね。試合に勝った時などに「あ〜野球最高!」って思うのではないでしょうか?まず相手を喜ばせる、だから自分も楽しめる。顧客対応はその集中力が必要です。我々の対象は何がどうなるかわからない人間ですからね!

 

「あなたより優先すべき事があります」という非言語メッセージには、挨拶が遅い、待機姿勢がダラけているなども含まれます。これらは激しく相手の自己重要感を脅かします。自己重要感、つまり「自分は大切にされる存在だ」を脅かされるのは恐怖です。おもてなしを期待して購入した客という立場で大切にされないなんて、どんだけ自分の価値低く思われているんだ?と無意識にも敏感に感じてしまうという事です。それが「不快信号」となり「飽きる・呆れる・諦める」に繋がるというからくりです。

 

ということで「ダメ3A(飽きる・呆れる・諦める)」の危機を感じとるのに必要なのは「人間関係の感性」です。主に人の感情を想像したり感じ取る能力で「空気を読む」と言われたりもします。感性が鈍いと相手の要望に気づかなかったり、思わぬ失言をしたり・・・避けたい事態ですね。日々修行です。

 

ということで次回は「あなたが一番大切です」を伝えるための「感性の磨き方」を具体的に紹介します。また来週〜!

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